腹の中の懐かしさと、思い出と、感傷を乗り越えて

「ホント、あり得ない景観だよな。渋谷って」
ここは、いつ来ても異余裕の中に迷い込んでしまったような考えを得る。
 渋谷から旗の台までは乗り継いでも三さまざまと掛からなかった。ホームタウンに戻って来た途端に肩の出力が抜け、何とも言えないリライアビリティが私達の全身を包んです。
「やっぱり田園が一番良いよな」
 自分は複雑だった。先々の事を考えると、今や昔のようには開き直れない。
「また、戻って入れるよね?」
 ふとした私のひと言に、M・TとN・Tは粛々と怪訝な顔付きを浮かべた。
「何言ってんだよ。実際今回、戻ってきてるじゃねーか」
「道場を出てからってことだよ」
「いつのメッセージだよ。とりあえず、めし行くか」
 大層腹が減っていたせいか、N・Tは余韻に浸るナルシシズムひとつ自分に与えてはくれなかった。腕時計に眼をやると、タイムはもはや三時半を回っていた。N・Tに促されるとおり、解散前に私たちは駅前の行きつけのラーメン屋に止まり、一足遅めの昼飯を用いることにした。